著者:シゲキ
最終更新日:2022年8月30日

どもども、パチンコ業界の何でも屋で、当ガイドステーションの裏方もやっておりますシゲキと申します。 

さて、ミナトさん&ガチッターさんが「スマスロ」のことを書いていたのに続き、今回は私が「スマパチ」について、現時点で知っていることをコソっと述べちゃいましょう。
 
ちなみにスマスロ詳細ページは↓から確認できるのでコチラもぜひみてください。

スマスロ特集ページ

 

 

【目次】

 ・スマパチ登場時期

 ・スマパチスペック

 ・スマパチ特徴

 ・スマパチ導入による影響とは

 

 

①スマパチの登場時期が決定!? 

 

10年以上前から話題に上がっていたスマート遊技機=いわゆる封入式パチンコですが、気がつけばスマスロが今年(2022年)中、スマパチが来年(2023年)頭と、登場が目前に迫ってまいりました。 

ただ1992年のCR機登場当初もそうでしたが、新たな仕組ができたとしても、それが世の中に浸透するかどうかは別問題。ホールにとっては導入するメリット、ファンにとっては遊技動機につながる魅力がなければ、誰も買わない&打たない=大失敗ってなことになりかねません。そこで、続いてはスマパチだけに許された遊技性能を説明しましょう。 

 

②スマパチの新スペックは? 

 

●大当り確率の下限が1/350 

まずは現状、1/320を下限としている初当り確率が1/350になります。これにより「今まで以上に高い出玉性能の台が作れる」と思うかもしれませんが、これはある意味で正しく、ある意味では正しくありません。実は右打ち時(確変中や時短中など)の出玉総量に関しては現行機と一緒なので、 

確変突入率やRUSH突入率が上昇 

ヘソの初当り出玉が増加 

といった、左打ち時(通常時)の出玉性能をアップさせることが可能です

 

●突然時短の機能拡大 

2018年に「P機」が登場したタイミングで、いわゆる「C時短」と呼ばれる突然時短の搭載が可能になりましたが、この機能の活用範囲がさらに拡大します。その詳細は…どーなんでしょうね。実はまだ正式に決まっておりません。 

ラムクリア(電源初期化)を契機にした機能により、朝イチに打ち手が有利になる状況を作ることができるかも…なんて噂話も耳にしますが、とりあえず今よりも多様なゲーム性の実現が可能になりそうです。

 

●コンプリート機能搭載 

差玉が一定数に達するとコンプリート機能が発動して打ち止め=強制終了になります。 

コンプリートと聞くとなんか良いコトのように思えちゃいますが、実は過度な射幸性を抑えるための新機能ですね。 

ただしコンプリートの発動条件は9万5000発!! 現状、滅多なことでは達成できませんし、コンプリート機能が発動したら、まさに子々孫々まで自慢できるかも。なんなら達成台に巨大な打ち止め札を貼り付けて、店全体でアピールしても良いくらい…ってのは某所に怒られそうだからヤメておいたほうが良いかな、うん。 

ちなみにパチンコ歴30年、かつて多摩地区最強プロと呼ばれた私・シゲキが1日に出した最大出玉は『CRぱちんこウルトラセブンL77』の9万1726個。ただの自慢話ですが、この時ですら発動しないので、あまり気にする必要はないでしょう。 

 

③スマパチの特徴は? 

 

スマパチと現行機の構造における最大の違いは、玉が台の内部で循環することです。つまり上皿もなければ、ドル箱もなく、持ち玉や出玉はデジタルで表示されることになります。いくつか利点を挙げると、 

メリット1/打ち手が玉を触らなくてもOK 

手が汚れないですみますし、特に今のご時世は新型コロナウイルスへの感染対策にもなりそうですね。 

メリット2/ゴト行為の激減 

パチンコは原始的なゴト行為が昔からあります。その点、スマパチは台に隙間がなく、玉にも触れられないため、これらのゴト行為が不可能になります。 

さらに玉の材質を変更すれば磁石を用いたゴトもなくせますが、これは少し先の話になりそう。数十個の玉が終日台の中を循環するため、玉にかかる負荷は現状以上。これに耐えうるパチンコ玉は現在の鉄製が今のところ最適なようです。

逆にデメリットは、玉が物理的にジャラジャラと出てこないため、パチンコ本来の満足感に欠けることでしょうか。ただ各台計数機が主流になりつつある昨今、ドル箱がないコトに違和感を覚えるファンは以前より少ないでしょう。 

ちなみにシゲキ的予測としては、スマパチになるとヘソ賞球数が1個の機種が増えそう。上皿がなく、デジタル表示の1の位がチョロっと変わるだけなので、3個が1個になっても誰も気づかないと思うんですもの。 

さて、③までの時点で結構な文字数になっちゃいましたね。読むのも書くのも大変なので、ここからは比較的サクサクと、スマパチの特徴を質問形式で羅列しちゃいましょうか。 

 

④釘のメンテナンスは可能? 

 

玉が内部で循環する封入式パチンコということで、釘のメンテナンスが一切できないのでは? と思われる方も多いでしょうが、玉がかり(盤面に玉が引っかかったりブドウになること)などの際にガラスが開けられないと大変ということもあり、釘のメンテナンスは可能なようです。 

P機になってから数多く登場した「設定付きパチンコ」がイマイチ浸透しなかったように、パチンコの特徴はやっぱり釘。これが意味のないモノになっちゃうのは個人的には面白さ半減だと思っていたので、メンテが可能というのはホッとする話ですね。 

 

⑤島設備がなくなる? 

 

玉が台の内部で循環するため、パチンコ島が必要なくなります。個人的には島関連メーカーで働いている方達が気の毒で仕方ないのですが、これも時代の流れなのかなぁ(泣)。その分、島への設備投資がいらなくなり、ホールの負担が減る=ファンへの還元率は上がるかもしれません。 

ただ完全に島のようなものがなくなるかと言えば、紙幣搬送システムが必要なので、そうはならないでしょう。 

将来的に電子マネーが今以上に浸透し、現金を使わない仕組みができれば自由なレイアウトでの台の設置が可能になり、ホール内の見た目が一変するかもしれませんが、それは少し未来のお話かな。 

 

⑥台の値段は下がる? 上がる? 

 

上皿がなくなる分だけ安くなるかもしれませんが、正直、その分は玉数表示装置で相殺されそう。また追加機構として、実はこれまで島設備のほうでやっていたパチンコ玉の球磨きが必要となります。 

当初は人の手が触れないからパチンコ玉を磨かないでも大丈夫かも…なんて思っていたのですが、実際に循環させてみると湿気やホコリや盤面の汚れなどで玉の動きが悪化。布やポリ(小さなプラスチックみたいなの)を用いた球磨き機構を台の内部に設ける分だけ、逆に台の値段は若干だけ上がってしまうかもしれません。 

 

⑦ホールの不正も減る? 

 

ゴト行為が減るのは前述の通りですが、スマパチはホールの不正対策にもなります。まあ遠隔操作や裏基板といったパチンコ台への不正行為は現状でもほぼ絶滅していますが、封入式になることで消滅。さらにジェットカウンターの改造などによる計数の不正も不可能になります。 

世の中には「パチンコ台は店長やホールコンピューターが大当りやハズレを操作してるんだよ」なんて話を本気で信じている人が未だにいますが、スマパチになればそうした戯言も今より減るかもしれませんね。 

また打ち込み玉数と払い出し玉数が明確になり、それが第三者機関(遊技機情報センター)に送信されることで、売上をごまかすことができなくなります。CR機の導入の時にも随分と減った脱税行為ですが、スマパチになればさらに業界の健全化が図られることでしょう。まあ納税は国民の義務っすからね。私も催促されている住民税を払いにいかないと…(´Д`)ハァ…。 

 

⑧スマパチは浸透するの? 

 

冒頭で述べたように、スマパチの登場自体は翌年頭の予定ですが、市場に普及するのは少し先のことになりそうです。 

なぜならスマパチの導入には、現在の「CRユニット」に変わる「専用ユニット」が必要となります。お金を入れる台間サンドの部分ですが、これはスマパチとスマスロの共用。そしてスマパチとスマスロを現行機と比べた時に、よりファンを惹きつける魅力が大きいのはスマスロのほうでしょう。 

専用ユニットの生産台数には昨今の半導体不足も影響して限りがあり、恐らく来年はスマスロの分だけで全てのユニットがなくなるのでは? つまりスマパチが市場に増えていくのは、少なくともスマスロがホールに浸透した後のこと。早くても2024年、もしくはそれ以降になるのでは…なんてシゲキ的には予測します。 

 

以上、現時点におけるスマパチ情報でしたが、みなさんはいかが感じたでしょうか。 

 

私がパチンコを打ち始めた頃のホールはタバコの煙に溢れ、店内には軍艦マーチと大当りのアナウンスが大音量で鳴り響き、玉貸は500円玉のみ。店員は大半がパンチパーマで、ドル箱の上げ下げは当然自分…。 

それから30年の間に随分とパチンコ業界は変わってきたし、そこに一抹の寂しさを感じちゃう自分もいますが、時流に合わせた変化が必要なのは世の中の常。今回のスマート遊技機の登場も、それによってパチンコ・パチスロが今よりもスマートに楽しめ、日本独自の文化であるパチンコ・パチスロの将来に繋がることを期待したいものですね。ではまたいつかの次回ですm(_ _)m