2020/04/06
近所のダメなスロ屋では渋さを身体ごと受け止め、打てども打てどもフリーズが引けぬパチスロ「ガンダムⅢ」では低設定の辛さを痛感し、今は「いなり」をにらみつけるばかりで一向に箸が進まぬ嫁を横目に見ながら苦い思いをしている私に、先日、口の奥がキュッとなるような甘酸っぱいメールが届いたのである。
「憶えてますか」から始まるそのメールは、10年ほど前に付き合っていた女性からのものだった。当コラム宛てに知人からメールが届くのは初めてのことだった。
10年前。7のデザインだけはイカしていたビンビンカミサマが、新基準機などと呼ばれもてはやされていた頃であり、今は自由と平和で出来ている私の身体に、まだやんちゃの血が少しだけ流れていた頃でもあり、導入されたばかりのビンビンカミサマで掛け持ち遊技しているのを、たまたまその場に居合わせた中武に見咎められたのも、そうだそうだよあの頃だったと、メールを読み進める内、ビンビンカミサマから少しずつ記憶のパズルが形を成していく。
「憶えてますか」との問いには、もう答えられる。もちろんと力強く答えられても、その後の「今、幸せですか」には、正直なんと答えればいいかわからない。10年前の記憶を、自らの都合のいいようにデザインするのは簡単だが、それは無理だよ全部は食べられないよと忠告したのに、赤飯と団子といなりの炭水化物3点セットが食べたいと言って聞かず、やはり食えずにいなりをにらんでいる嫁が目の前にいるという事実を、デザインはできないからである。
果たして私は今、幸せなのだろうか。とりあえず、彼女は次のステップへ。いなりを隠そうとしています。
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